「とりあえずフリーター」は本当にアリ?生涯賃金1億円以上の差!後悔しないためのキャリア選択

「やりたいことがある」「まだ将来を決められない」「自由な働き方が魅力的」――。
若者の間で、正社員ではなくフリーターという働き方を選ぶ人が一定数います。
一見、自由で気楽なイメージがあるかもしれませんが、長期的な視点で見ると、その選択が将来に大きな影響を与える可能性があります。
この記事では、最新のデータに基づき、フリーターと正社員の生涯賃金を徹底比較。
その背景にある要因や、後悔しないためのキャリア選択について深く掘り下げていきます。
なぜ「とりあえずフリーター」を選ぶ?最新データから見る若者のリアル

厚生労働省の調査によると、20代の労働者のうち約13.5%が非正規雇用として働いています(2025年2月時点)。
その理由も多様化しており、「やりたい仕事のための準備(17.2%)」や「生活のために一時的に働く必要があった(14.8%)」といった経済的な理由に加え、「自分に合う仕事を見つけるため(13.5%)」、「仕事以外にしたいことがある(12.8%)」など、自身のライフスタイルや将来設計に基づいた選択も見られます。
しかし、背景には非正規雇用の不安定さや、新卒で希望の職に就けなかったという現実、そして将来に対する漠然とした不安も潜んでいます。
「まだ若いから」「なんとかなるだろう」といった安易な考えでフリーターを選んでしまうと、後々後悔する可能性も否定できません。
※参考:フリーター問題に関する現状等について|厚生労働省
フリーターの心のリアル:自由の裏にある「孤独」や「不安」
一見自由に見えるフリーター生活ですが、その実情は「不安定な収入」「将来への漠然とした不安」「社会的な孤立」など、メンタル面での負担が大きいこともあります。
特に、同年代の友人が正社員としてキャリアを築いていく中で、自分だけが取り残されているような感覚を持つことがあります。
さらに、周囲の人と将来について語り合うことができず、「自分だけ違う道を歩んでいる」という疎外感を抱えるケースもあります。
その結果、自信を失い、正社員になるための第一歩を踏み出すことすら難しくなることも。キャリア形成の前に、まずは自己肯定感を取り戻すことが重要です。
就職支援の中には、キャリアカウンセリングだけでなく、メンタルサポートを行う機関も存在します。
生涯賃金1億円以上の差!その背景にある理由とは?
独立行政法人労働政策研究・研修機構の最新データによると、大卒でフルタイムの場合、フリーターの生涯賃金は男性で約1億4000万円、女性で約1億2000万円です。
正社員では男性約2億5000万円、女性約2億円となっています。
この1億円以上もの差は、一体何によって生まれるのでしょうか?
※参考:ユースフル労働統計-労働政策に関する統計情報-|独立行政法人 労働政策研究・研修機構
第2節 賃金|厚生労働省
安定した給与と昇給
正社員は、勤続年数や能力に応じて定期的な昇給が期待できます。一方、フリーターは時給制が多く、大幅な収入アップは見込みにくいのが現状です。
手厚い福利厚生
社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)、有給休暇、育児休業制度など、正社員には法律で保障された福利厚生があります。フリーターはこれらの恩恵を受けられない場合が多く、将来の安心感が大きく異なります。
ボーナスと退職金
多くの企業で、正社員には業績に応じたボーナスや、長年の貢献に対する退職金制度があります。フリーターには基本的にこれらの制度はありません。
キャリアアップの機会
正社員は、社内研修やOJTなどを通じて専門スキルを磨き、管理職を目指すなどキャリアアップの機会が豊富です。フリーターは、スキルアップの機会が限られ、キャリア形成が遅れる可能性があります。
※参考:20代の若者は働くことをどう捉えているのか?仕事選び・転職・感情の観点から探る|パーソル総合研究所
ライフイベントへの影響:結婚・出産・住宅ローンにおける「信用の壁」
「いつかは結婚したい」「子どもを育てたい」「自分の家を持ちたい」と考えていても、フリーターという働き方はこれらの希望を叶えるうえで壁となる場合があります。
たとえば、結婚相談所や婚活市場では「正社員であるかどうか」が判断基準の一つとして見られる傾向があります。住宅ローンや自動車ローンの審査でも、安定した収入がないと通りにくく、金融機関からの信用を得るのは難しいのが現実です。
育児面でも、公的補助や手当の多くは雇用形態によって差があり、フリーターの場合は育児休業給付などを十分に受けられないことがあります。
「フリーターからの脱出」成功物語!未来を切り開いた若者たち

「やっぱり正社員として安定した生活を送りたい」そう考え、フリーターから正社員への転換を成功させた若者たちの事例を見てみましょう。
これらの事例からわかるように、フリーターから正社員への道は決して閉ざされていません。大切なのは、現状を変えたいという強い意志と、積極的に行動する勇気です。
「就職したい」をサポートする制度とは?行政の支援策を活用しよう
国や自治体では、フリーターやニート、非正規雇用の若者向けにさまざまな支援制度を用意しています。例えば以下のようなものがあります。
- 地域若者サポートステーション:キャリア相談、職業体験、面接練習などを無料で提供
- ジョブ・カード制度:職業訓練を受けながら履歴書に代わるようなスキル証明が可能
- 就職氷河期世代支援プログラム:正社員登用支援や職業訓練がセットで受けられる
- 生活困窮者自立支援制度:就労準備支援や家計相談など多面的なサポート
これらの制度は、「学び直し」や「正社員としての再スタート」に繋がる重要なステップです。
情報収集の手間はかかりますが、知らないままでいるのはもったいないと言えるでしょう。
変わりゆく企業の採用戦略:フリーターにもチャンスが?
近年、人手不足を背景に、企業側の採用戦略にも変化が見られます。
従来の「新卒一括採用」だけでなく、ポテンシャルを持つ若手や、多様な経験を持つフリーターにも目を向け始めています。
- ポテンシャル採用の増加: 経験やスキルだけでなく、意欲や人柄を重視する採用を行う企業が増えています。
- 未経験者歓迎の求人: 業界未経験のフリーターでも応募可能な求人が増えています。入社後の研修制度を充実させることで、人材育成に力を入れる企業も出てきています。
- 多様な働き方の提供: リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を導入することで、多様な人材の獲得を目指す企業も増えています。
これは、フリーターにとって正社員になるチャンスが広がっていると言えるでしょう。
民間の転職支援サービス・スクールの活用法
近年では、未経験からの正社員就職に特化したサービスも増えており、フリーターを対象にしたプログラムも登場しています。
- はたらいく(リクルート運営):書類選考なしで面接から始まる支援型サービス
- ハタラクティブ:若年層向けのカウンセリング型就職支援
- テックキャンプ/DMM WEBCAMP:未経験からエンジニアへ転職を目指すプログラム
- マイナビジョブ20’s/ウズキャリ:第二新卒や既卒、フリーター向けの求人多数
どれも「職歴がない」「スキルがない」という不安に対して、手厚い研修やカウンセリングを行っているのが特徴です。
費用がかかるものもありますが、「自己投資」としてのリターンは大きいです。
子どもがフリーターで不安な保護者へ:親ができる適切なサポートとは?
「うちの子が将来どうなるのか不安」「なぜ正社員になろうとしないのか」と悩む親御さんも多いかもしれません。
しかし、頭ごなしに「正社員になれ」と言うことは逆効果になることもあります。
大切なのは、まず子どもがどう考えているのかを丁寧に聞く姿勢です。
そして、本人が「動いてみようかな」と思えたときに、適切な情報や支援先を一緒に調べてあげること。
また、就職支援センターでは保護者向けの相談窓口を設けていることもあります。
焦らず、しかし諦めず、伴走する姿勢が最も重要です。
「今」を大切にしながら「未来」を考える:後悔しないためのキャリア選択
「今が楽しければそれでいい」「将来のことはまだ考えられない」という気持ちも理解できます。
しかし、20代、30代は、今後の人生を大きく左右する重要な時期です。
後悔しないためには、「今」を大切にしながらも、「未来」を見据えたキャリア選択をすることが不可欠です。
もしあなたが今フリーターとして働いているなら…
- 自己分析を徹底的に行いましょう。 自分の興味、強み、価値観、そして将来の目標を明確にすることで、本当にやりたいこと、目指すべき方向性が見えてきます。
- 情報収集を積極的に行いましょう。 就職支援サイト、ハローワーク、民間の就職エージェントなど、様々な情報源を活用し、正社員の求人情報を集めましょう。
- スキルアップに取り組みましょう。 興味のある分野の資格取得を目指したり、職業訓練を受講したりすることで、就職に有利になるスキルを身につけましょう。
- 積極的に行動しましょう。 興味のある企業があれば、積極的に応募してみましょう。書類選考で落ちても、面接でうまくいかなくても、諦めずに挑戦し続けることが大切です。
- 誰かに相談してみましょう。 キャリアセンターのカウンセラー、家族、友人など、信頼できる人に相談することで、新たな視点やアドバイスが得られるかもしれません。
人生は何度でもやり直せます。
しかし、若いうちから将来を見据えて行動することで、後悔の少ない人生を送れる可能性が高まります。
「とりあえずフリーター」という選択をする前に、この記事で得た情報を参考に、自身のキャリアについてじっくりと考えてみてください。
あなたは将来、どのような働き方をしたいですか?
今の働き方について、どんな不安を感じていますか?
あなたの未来は、あなたの選択にかかっています。