新卒の10代後半から20代前半の人のなかには、転職したい気持ちが高まる人もいます。
特に、就職後に学生時代の友人との会話、初めての同窓会などがそのきっかけになる人が少なくありません。
でも、本当に転職しても大丈夫なのでしょうか?
転職したらあなたの不満や不安は解決されるのでしょうか?
今一度、立ち止まってしっかりと考えてみましょう。
新卒者にありがち!転職したい気持ちにかられるキッカケ
就職活動を経てようやく内定を勝ち取った勤務先。しかし、ものの数ヶ月で転職を決意する新卒者は少なくありません。
転職を意識するタイミングとしてよくありがちなのが、卒業後初めての同窓会です。
学生時代の話はもちろん、現在の仕事についての話もしますよね。
そして、ほぼ間違いなくお互いの給与の話もするでしょう。
○○会社に就職した友達はいくら、☓☓会社に就職した友達はいくらと聞いたときにどのように思うでしょうか。なかには、自分の給与が低いと思ったら、辞めて転職したい気持ちになってしまう人もいるでしょう。
企業規模も業務内容も大きく変わらないのに、手取り額を気にして転職を意識する新卒者は少なくありません。
その気持ち、よくわかりますが、転職したからといって今以上の待遇が確保されるとは限りません。それよりも、一度無職の期間をつくってしまうことのほうが10代~20代の人にとっては怖いところです。
退職後の10代~20代にありがちな行動
いざ転職を決意すると、その後は速やかに転職活動に入りますが、その行動パターンは2通りです。転職先を決めてから退職するのか、退職してから転職活動をするのかです。
問題は後者の退職してから転職活動をする場合です。
10代~20代のような若年者世代は、将来的に成長する期待があるため比較的簡単に転職先が見つかりやすいのは間違いありません。
2018年6月時点では、仕事がたくさんあり慢性的な人手不足の状況ですから、あなた自身の希望する仕事を見つけて就職するのはむずかしくないでしょう。
しかし、実際に転職活動を始めるのが遅い人がいます。
「もう少し休んでから行動しても遅くない」
「せっかくだから今しかできないことをしたい」
などが転職活動を遅らせる理由です。
たしかに、行動するのが遅かったとしても確実に次の仕事を見つけられるのであれば問題ないでしょう。時間を空けたことでリフレッシュして希望にマッチした転職先が見つかれば最高の転職です。
ただし、その空白期間がクセになってしまい、いつまでもダラダラとしてしまうのが怖いところです。
学生時代の長期休みのような感覚に陥り、なかなか行動に移せない人は意外と多いもの。
「自分は違う」と思っても、その自由さを捨てるのはもったいないと感じてフリーターとして生きていく選択をする人もいます。
今の給与に不満を感じて転職を決意したものの、その結果が毎月の生活が安定しないようでは本末転倒です。
余談ですが、もしあなたが今現在、実際に無職であるなら、できる限り早く行動して再就職への道を進んでください。人生の歩み方は安定がすべてではありませんが、社会保険の整った環境下で働いたほうが、ほぼ間違いなく堅実な人生を歩めます。
転職すれば解決できるのか?
世の中は終身雇用制度の崩壊、転職してキャリアアップするのが勝ち組という風潮があります。
たしかに、古い体質は変わりつつありますし、転職者に対して手厚い待遇を用意する企業も増えてきたように思います。
10代~20代の人にとっては、ますます転職天国とも言えそうな社会環境かもしれませんね。
とはいえ、終身雇用制度の崩壊は本当でしょうか?
もちろんリストラする企業は多くあるので、すでに終身雇用制度は崩壊していると見るのは自然です。
一方で、今後日本社会全体がリストラを進めつつ、能力重視の雇用形態を受け入れるとは想像しにくいところです。
そもそも、社員を退職させるのは法律上むずかしいですし、退職するように仕向ける行為はパワハラ扱いです。
この意味においては、終身雇用制度が崩壊したとは言えないでしょう。
また、転職によるキャリアアップを勧める風潮は安易に乗ってはいけません。
今の会社に不安や不満があれば、転職は選択肢のひとつであることは間違いありません。しかし、それが必ずしも良い結果を生み出すわけではないことは覚えておきましょう。
これは、前段に解説した理由のほかに、地域差という問題もあります。
都市部と地方とでは求人状況がまるで違います。
地方でも求人は増えている状況ではあるものの、地域によっては選り好みできるほど求人があるわけではありません。地元企業の給与水準では転職しても大きく改善されることはありませんし、大手企業に転職したからといって撤退によってほかの地域に転勤する可能性があります。
実際に、少子高齢化の影響で全国展開する企業が地方から離れている状況になりつつあります。
たとえば、地方のコンビニは好立地であるにも関わらず閉店するようになりましたし、大手ハンバーガーチェーンの撤退も目にするようになりました。
転職による年収アップは検討する価値はありますが、あなた自身が住む地域で実現可能でしょうか。たとえば、月収1万円ほどアップして年間で12万円の収入増になる会社の転職。今住んでいる場所から引っ越さなければならない、または通勤距離が遠くなるとした場合で考えてみましょう。
引っ越しをしなければならないのであれば、それに伴う負担が増えます。通勤距離が今よりも長くなれば、通勤のお金が増えますし自分の時間が少なくなります。月収1万円増としても、支払う税金も増えますから、手取りは数千円の増額にしかなりません。これでは満足できないでしょう。
収入アップを意識した転職では、給与が上がったとしても、それ以外の部分で不満が募るようでは満足できる暮らしになるとは言い難いです。
ただし、転職本来の目的が年収アップではなく、純粋にキャリアアップを狙った転職で、将来の自分の姿を見据えているのであれば積極的にチャンスを掴みに行きましょう。
あなた自身がキャリアアップできれば、年収はあとから付いてきます。資格を取り、スキルを高めていけば、30代、40代と歳を重ねたときに理想通りの年収を達成しているかもしれません。
転職してもいいのかじっくり考えよう!
転職を認めるというよりも勧める世の中になっているものの、それが当たり前と考えるのは危険と言わざるを得ません。
特に、10代~20代の人ほどじっくり考えてからの行動をおすすめします。一番怖いのは「転職グセ」。転職先の企業が合わなければまた転職をしてしまう、その結果、30代を前に何社も渡り歩くようになってしまっては、社会人として信用性を失うことがよくあります。次第に転職もしづらくなるおそれがあります。
今の気持ちを大切にしたいのはよくわかりますが、あなた自身の将来をじっくりと考えて、頼れる人に相談したうえで結論を出しましょう。
ただし、転職するか迷ったら「迷うようなら基本的に行動しない」というスタンスでいることをおすすめします。
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